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本当においしい食エッセイを教えます/Aoyama Book Column #3

こんにちは。青山ブックセンター本店 文庫・ビジネス書担当の神園です。

最近、やっと涼しくなって、秋の気候になってきました。
例年この時期になると、食欲の秋ということで、文庫コーナーでは食べ物にまつわる随筆「食エッセイ」を展開したフェアを展開しています。

ということで今回は、食エッセイを古い名作から新しいものまで、文庫を中心に30冊ほど紹介します。

1.平野紗季子『ショートケーキは背中から』・『生まれた時からアルデンテ』

すべての幸福は食から始まる。世界一のレストランからロイヤルホストの観察記まで愛と希望と欲に満ちた食エッセイ『生まれた時からアルデンテ』。「きっと私は世界を理解したい。そのための手段が、食べものだったのだ。」今を代表するフードエッセイスト・平野紗季子さんによる新作食エッセイ『ショートケーキは背中から』。

2.稲田俊輔『おいしいものでできている』

人気店「エリックサウス」創業者、飲食店プロデューサー、自称変態料理人
=イナダシュンスケさんが、ど定番の「おいしいもの」一品ずつを語るエッセイ集。

3.くどうれいん『わたしを空腹にしないほうがいい』・『桃を煮るひと』

これは現代版『ことばの食卓』否『手塩にかけたわたしの料理』か?2016年6月の初夏、そして一年後の2017年6月の心象風景。歌人・小説家の、くどうれいんさんが綴る、食べることと生きることを記録した『わたしを空腹にしないほうがいい』。それから5年後に刊行された2作目の食エッセイ集『桃を煮るひと』。

3.三浦哲哉『食べたくなる本』

小田原のサバ、ファッションフード、福島のスローフード、ジャンクフードの叙情、一汁一菜、蒸したカリフラワーのピュレ、アサリ二キロのスパゲッティ、マルフーガの揚げもの、どんぶりの味、怪食、快食、絶倫食、庄内のワラサ、エル・ブリと新スペイン料理、水のごとき酒…。
気鋭の映画批評家が、料理本を批評的に読む。

4.最果タヒ『もぐ∞』

「パフェはたべものの天才」「グッバイ小籠包」「ジャジャーン!ポールエヴァン!」「ぼくの理想はカレーかラーメン」「良いサンドイッチはミステリー」など、詩人・最果タヒさんの「食」への情熱が溢れる至極のエッセイ集

5.小山田浩子『小さい午餐』

広島在住の芥川賞作家・小山田浩子さんの初めての食エッセイ集。
自宅で小説を書いている小山田さんが外でお昼を食べるという小さい冒険、非日常について書いたエッセイ。

6. 西加奈子『ごはんぐるり』

カイロの卵かけごはんの記憶、「アメちゃん選び?」は大阪の遺伝子、ひとり寿司に挑戦、夢は男子校寮母…。カイロ&大阪育ちの小説家・西加奈子さんによる食エッセイ集。

7.江國香織『やわらかなレタス』

リスが仮死状態になるくらい寒い場所でのむ、あたたかいジュース。湯通ししためかぶが青々とすきとおる、目のさめるような瞬間。はたけのじょうとうなレタスを食べた、ピーターラビットの感動…。小説家・江國香織さんによる食エッセイ集。

8.原田マハ『やっぱり食べに行こう』

パリ、ニューヨーク、ロンドン、スペイン、ロシア、京都―ピカソやゴッホを訪ね、取材先で食べた「思い出の一品」。アートを題材にした小説で知られる原田マハさんによる、至福の食べ歩きエッセイ。

9.穂村弘『きみがいない夜のごはん』

ダイエット、ショコラティエ、ラーメンに食堂車。料理が出来ず味オンチと自覚する歌人の穂村さんが日常で見出した「食べ物」に関する58の絶品エッセイ。

10.千早茜『わるい食べもの』・『しつこく わるい食べもの』

アフリカで体験した衝撃的な「ウニ」の記憶、表参道のお洒落カフェで身体にいいメニューを試したら「鳥のエサ」になった話など、「いい食べもの」の情報が氾濫する今だからこそ、「わるい」を追求することで食の奥深さを味わう、小説家の千早茜さんによるエッセイ集『わるい食べもの』と、シリーズ第2弾『しつこく わるい食べもの』。

11.『わたしの名店』

大好きなお店の一皿で、気分があがる。キラキラとした幸福感が染み入る「鴨ロースト」、憂鬱の原因が汗とともに流れ出ていく「ガパオ」、幸福だった子どもの頃の記憶を呼び覚ます「ピネライス」、毎年春になるのが待ち遠しくなる「よもぎ餅」―自身にとっての「名店」と特別な一品を28名が想いを込めて綴るエッセイ集。お店の情報も掲載。

12. 杉浦さやか『世界をたべよう!旅ごはん』

ギリシャの絶景ごはん、イタリアの朝食は花いっぱいの屋上庭園で、スリランカで飲んだティーポット・ビール、愛してやまない福島のソースカツ丼、ライブ感にワクワクする静岡おでん。世界25ヵ国、国内24軒をイラスト&エッセイで。

13.森下典子『いとしいたべもの』

できたてオムライスにケチャップをかける鮮やかな一瞬、あつあつの鯛焼きの香ばしい香り…。23品のおいしいエッセイ集。

14.石田千『箸もてば』

「空豆紀行」「すっぱい生活」「大根亭日乗」「魔法のせいろ」「レバニ;ラ、たそがれ」「桃の宴」…日々の暮らしでめぐりあう四季折々の恵みを丁寧にいただく喜びを滋味深くつづるエッセイ集。

15.ウー・ウェン『北京の台所、東京の台所』

料理研究家になるまでの半生、文化大革命などの出来事、北京の人々の暮らしの知恵、日中の料理について描く。北京家庭料理レシピ付。

16.姜尚美『京都の中華』

餃子、春巻、酢豚…品書きは至って普通、しかし京都の中華はちょっと違う。にんにく控えめ、油控えめ、強い香辛料は使わない。だしのとり方が独特で、どの店も勘定がやさしい。「京都でしか成り立たない味」のルーツを探索する。

17.土井善晴『一汁一菜でよいという提案』

日常の食事は、ご飯と具だくさんの味噌汁で充分。あれば漬物を添えましょう。一汁一菜の実践法を紹介しながら、食文化の変遷、日本人の心について考察する。

18.たなかれいこ『たべるクリニック』

ぐうたらスローフードのすすめや、レシピにたよらない料理法など。我慢しないでおいしく食べて美しく健康になるための68のアイデア。食を通じて心地よい暮らし方を提案する。

19.群ようこ『たべる生活』

恋人の手料理/ビスケット、キャンディー/料理上手のレシピ/子供の食に無頓着な親たち/おいしい出汁をとるために/しぶとく生きるための食…料理に手間をかけすぎず、でも身体をいちばん良い状態に保つ。“たべること”にとことん向き合った「食」エッセイ。

20.武田百合子『ことばの食卓』

なにげない日常の光景やキャラメル、枇杷など、食べものに関する昔の記憶と思い出を感性豊かな文章で綴った、昭和を代表する随筆家・武田百合子さんによる食エッセイの名作。

21.高峰秀子『ウー、うまい!』・『私、ホント食いしん坊なんです』

よく食べることはよく生きること―。タクアン、バラコ飯…鳩、蛇料理、なんでも。大食いしん坊女優・エッセイストの高峰秀子さんによる国内外の食べ歩き、食道楽の記録アンソロジー。

22.石井好子『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』・『東京の空の下オムレツのにおいは流れる』

戦後まもなく渡った一九五〇年代の古きよきパリでの、下宿先のマダム特製のオムレツ、仕事後の夜食のグラティネ。昭和の料理エッセイの金字塔『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』。
ナスで作る“貧乏人のキャビア”、トリの煮込みやパエリャ、たまには和食でセリと油揚げのすきやきふう。姉妹編の『東京の空の下オムレツのにおいは流れる』。

23.南條竹則『中華文人食物語』

食と酒を愛する著者が、中国・日本の各所で口にしてきた美味佳肴とともに中華料理の奥深さを語るエッセイ。

24.日影丈吉『ミステリー食事学』

「名探偵も大悪漢も、一週間も物を食わなかったら、追いつ追われつどころじゃない」伝説の毒薬から悪食珍味に絶品フレンチ、メグレやホームズ、クイーンら名探偵が口にしたはずの各国の味の裏側まで、世界の「食」と「謎」をたっぷりと語る。

25.早川茉莉『ビールは泡ごとググッと飲め』

火野葦平曰く「ビールこそよろしきものか白き泡」。人と人を近づけ、飲んでよし読んでよし。書下ろし含む63の作品の、63の人生、ビールのフレーバーもさまざま!

26.『こぽこぽ、珈琲』

エスプレッソからドリップ・コーヒー、サイフォン式、クリームを浮かべたウィーン風、インスタントだって立派な一杯。イタリアのカフェのカウンターで、自宅で、友人宅で、昔ながらの喫茶店で―ほっと一息、リフレッシュ。読めば贅沢で特別な時間が流れる、珠玉の珈琲エッセイ31篇。